上顎洞に骨の隔壁がある患者さんに上顎洞底拳上手術を行った症例

50歳の女性です。左上の臼歯部欠損で来院されました。3番から7番までが抜歯の適応症でした。
歯科用コーンビームCTで精査したところ、やはりラテラルウィンドウテクニックを用いた上顎洞底拳上手術が必要だとわかりました。
この症例で非常に難しかったのは、左上5番相当部に約10㎜の骨の隔壁(骨の出っぱり)が存在したことです。

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従来のやり方とは少し方法を変え、隔壁の前方と後方の2ヵ所に窓開けして、両方からアプローチしていきました。片方からのアプローチでは、隔壁の反対側で破れる可能性があるからです。

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11㎜以上のインプラントを埋入できるように上顎洞粘膜を拳上して、インプラントを4番5番6番に埋入しました。

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7番は抜歯の適応症ですが、埋入したインプラントが骨と生着(オッセオインテグレーション)するまでの間、仮歯の支台歯として使っています。
窓開けが2ヵ所だったため、手術時間はいつもより少し長くかかりましたが、洞粘膜を損傷することなくきれいに拳上し、インプラントを埋入できました。
私は常日ごろ、「自分が手術を受ける立場だとしたら」と考えるようにしています。自分が行ってほしいと思うような安心で安全、そして確実な治療法を心がけています。

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