名古屋で行われた日本口腔インプラント学会に参加しました


9月16日(金)~18日(日)の3日間、名古屋国際会議場で行われた日本口腔インプラント学会に参加してきました。
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その中の専門医教育講座に出席しましたが、最近、各地で行われているインプラント学会の専門医教育講座のメインテーマに、ビスフォスフォネート製剤(骨粗鬆症の治療薬)と顎骨壊死の問題を取り上げている講義が非常に多いと感じています。
先日盛岡で行われた学会も同じテーマでしたし、今後出席予定の11月の香川県での学会、12月の富山県での学会のいずれも、口腔外科的な治療と顎骨壊死が話題になっています。
「ビスフォスフォネート関連顎骨壊死」に対しては、米国口腔顎顔面外科学会からも新しいポジションペーパーが出され、それが現在の一つの治療指針となっています。
最近はビスフォスフォネート剤だけではなく、抗RANKL抗体剤も顎骨壊死の原因となるハイリスクな薬剤であると考えられています。いずれも骨粗鬆症の薬だけではなく、乳がんの後の抗がん剤としても使われることがあるので注意が必要です。
ビスフォスフォネート剤は、数か月の休薬を行うことによりほとんどの歯科治療は可能ですが、抗RANKL抗体の静脈注射を受けている場合は、慎重な治療の配慮が必要です。
したがって歯科治療においてはできるだけ詳しい全身的な問診を行うことが重要だと思います。
顎骨壊死は、ただ単に抜歯やインプラント治療を行う時だけではなく、義歯が合わないとか、慢性の歯周病、慢性の根尖性歯周炎の原因となって発生するケースも少なくありません。現に、インプラント治療で顎骨壊死が起きることは例が少ないという報告もあります。
今後、高齢化が進むわが国ではこれらの薬を他科で処方され、治療にも使われるケースが増えてくると予想されます。女性は閉経後に骨粗鬆症になるケースが増えますが、がんの治療の後も使われる可能性のある薬ですから、歯科医師として、十分に注意を払う必要があると思います。
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