約20年前に埋入したインプラントを用いてインプラントオーバーデンチャーを制作した症例

 80代の男性です。約20年前に、下顎に4本のIMZインプラントを埋入しました。
 IMZインプラントは現在製造中止となっていますが、フリアデント社というドイツのメーカーが製造していたものです。

 下顎に埋入した4本のインプラントにボタン状の維持装置を装着し、下顎の総義歯にはキーパー(受け側)を付けて、取り外し式の総義歯として長く使ってこられました。
 術後の経過は良好で20年近くたっても問題は無かったのですが、旅先で入れ歯を無くしてしまったので、もう一度作ってくださいということで来院されました。

 CTとレントゲン検査を行ったところ約20年前に埋入したインプラントには全く問題がないので、そのインプラントを使ってインプラントオーバーデンチャーを制作した患者さんです。

 下顎に少数(2本以上)のインプラントを埋入し、入れ歯を支え安定させる方法をインプラントオーバーデンチャー(IOD)と言います。 

2002年、カナダのマギル大学で15名の科学者と臨床エキスパートに検討され、提唱されたコンセンサスがあります。これによると下顎インプラント2本のオーバーデンチャーは、外科的合併症の発症率が低く、患者さんの満足度、生活の質(QOL)の評価が非常に高いということです。これから超高齢化が進む我が国において、高齢者に対してはとても良い治療法だと思います。

 IODが最も盛んに行われている国はオランダです。民間の保険ではありますが、2本のインプラントによる下顎のIODは健康保険を使って行うことができます。
 残念なことに、まだ我が国では健康保険適用外の治療ですが、もしその患者さんが介護状態になり自分で手入れができなくなったとしても、家族や介護者が簡単にメインテナンスすることができます。そして義歯が安定することにより、咀嚼能力が向上するため認知症の予防にもつながると考えられます。
 コストの面でもインプラントの本数が少ないので、多数のインプラントを用いた固定式のブリッジに比べると非常に低コストです。

また、下顎の前歯部は比較的既存骨が存在するため手術が行いやすい部位です。インプラントの埋入も下顎の前歯部に2~4本入れるだけで、義歯はかなり安定します。
手術時間は1時間以内で終わるので、患者さんへの負担が少なく、低侵襲で予知性の高い治療が期待できると思います。
 

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