より安定した金属床義歯を装着するため、下顎に2本のインプラントを追加した症例


70代の女性です。6年前に下顎前歯部にインプラントを2本埋入し、そのインプラントを用いた局部床義歯を装着していました。
埋入した当初は左下臼歯部に大臼歯が残っていたため、その残存歯を使って局部床義歯を装着していたのですが、その大臼歯が抜歯の適応となりました。
ご本人は、もっと入れ歯の安定を良くしたいということで、インプラントの本数を増やして欲しいという要望がありました。
一般的に、下顎骨に2本のインプラントを埋入して総義歯を作れば、かなり安定した義歯になります。ただ、この方の場合は唾液の分泌が少なく口腔内の乾燥症があったので、もっと安定させて入れ歯が歯茎に擦れないようにする必要がありました。
そこで2本のインプラントを追加で埋入することにしました。
術前にコーンビームCTで精査して、インプラントが神経に接触しないように、義歯がより安定する位置に、そしてインプラントとインプラントとの距離を適切に保つように4ミリ以上離して埋入することを心がけました。

時間は40分ほどで終わりました。
このように、歯が全く無くなったところにインプラントを埋入するのは、術者としては却ってポジションをどうするか悩みます。
結果的には、6年前に入れた2本のインプラントの間に1本、そしてバランスを考え、左下の4番部のあたりに1本埋入しました。

元の2本のインプラントは機能しているので、それを使って新しい義歯を作っても良いのですが、古い入れ歯を治療期間中の義歯として3か月使い、新しい2本のインプラントが骨に生着した後、あらためて4本の維持装置を装着して新しい金属床義歯を作る予定です。

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