前歯部に対しインプラント埋入と同時に大規模な骨造成を行った症例

30代の男性です。
他院で左上1番を抜歯し、このたび当院に来院されました。
抜歯した歯科医院でインプラント治療を勧められたということですが、最近の患者さんはインターネットやいろいろな雑誌で歯科医院の情報をよく調べて、かかる病院を選んでいらっしゃいます。経験や実績のある歯科医院で治療を受けたいということで、当院に来院されました。
抜歯から既に1か月以上経過していたため、かなり歯槽骨や歯肉が退縮していました。この状態でインプラントを埋入すると、反対側の右上1番と調和がとれた上部構造が製作できないと考えられたため、インプラントの埋入と同時に、人工骨を用いた大規模な骨造成を行った症例です。
大幅な骨造成を行うと骨のボリュームは出るのですが、粘膜や骨膜はそれに伴って作られないため、減張切開を行うことが必要です。この減張切開を行うと、どうしてもヒトの生体反応として腫れが出てしまいます。
その点は、術前のカウンセリングで減張切開が必要なことと腫れることを説明していたため、患者さんは充分に理解して下さり、無事手術を終了することができました。
インプラントの埋入時間は15分程度でしたが、骨造成に30分ほど時間を費やしました。

3か月後にインプラントを用いた仮歯を製作し、患者さんの希望する歯の色、形、厚みを聞きながら、最終補綴物を製作する予定です。
前歯部のインプラントは、抜歯時即時埋入・早期埋入が審美性を獲得することができます。この症例では時間が経過していたため、待時埋入となりました。歯槽骨や軟組織(粘膜や骨膜)の退縮が発生した場合は、骨の造成や移植術が必要になることが少なくありません。

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