サイナスリフトを左右2回に分けて行った症例/ラテラルウィンドウアプローチ

この患者さんは40代の女性です。上下左右臼歯部の欠損で来院されました。

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下顎は既にインプラントの埋入が終わっています。上顎臼歯部はCT検査の結果、上顎洞底拳上手術(サイナスリフト)が必要だということがわかり、左側と右側の2回に分けて行うことになりました。
サイナスリフトは先に左側から始めました。
CT画像を見ても左側の上顎洞底がきれいに拳上され、長さ13mmのXiveインプラントが深く埋入されていることがわかります。

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左上5番部は、直径3.8mm長さ13mm、6番部は直径4.5mm長さ13mmを使用しました。手術後3~4週間、落ち着いたら右側も同様に行う予定です。
先日ある学会で、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科インプラント・口腔再生医学分野の客員臨床准教授にお会いする機会がありました。
彼は耳鼻咽喉科の専門医ですが、東京医科歯科大学付属病院で歯科医と協力し、上顎洞の術前診断、サイナスリフト、術後合併症治療など上顎インプラントに関わる一連の仕事を専門に行っています。
この医科歯科病院には、時に上顎インプラント治療へのセカンドオピニオンを求めて来院する患者さんもいらっしゃるそうです。
サイナスリフトには、上顎洞の側壁から窓開けするラテラルウィンドウアプローチと、歯槽骨頂から行うソケットリフトアプローチの2種類の方法があります。彼の話によると、上顎インプラント治療が上手くいかなかった症例のほとんどはソケットリフトアプローチによるもので、しかも、真菌による感染症が多いということでした。
やはりソケットリフトアプローチは直視直達のオペではないので、歯科医が確実に成功しているかどうかを確認できず、レントゲン診査だけでオペの結果を判断しているからではないかというお話でした。
私は、ソケットリフトアプローチは一切行っていません。従来どおり直視直達のラテラルウィンドウアプローチで、確実で安心、安全なインプラント治療を行いたいと思っています。

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