ホワイトニングの効果にも限度があり、さらに高い効果を求める方には、ラミネートベニア法を用います。
これは、歯の表面のみを削り、薄いコンタクトレンズ状のセラミックを貼り付けるもので、歯の形を整えたり、隙間を埋めたりすることや、歯並びを美しく見せる方法です。長年の研究による高度な技術の確立と最新材料の開発によってラミネート(接着歯科)が信頼の高い治療法としてアメリカから普及し、多くの国で高く評価されています。
従来はクラウンをかぶせて治療していたものが、このラミネートベニア法が開発されたことで飛躍的な進歩を遂げました。特に結晶が多く粒子の細かい歯を作るデライトラミネート法は優れており、安全かつ耐久性に優れ、自然で美しい真珠のような輝きを放ちます。
また、歯列不正の治療にも使われ、矯正治療をしなくても少量の切削で、短時間に歯列、形態の改善が可能です。不完全な萌出歯や、中高年層の噛耗した歯、外傷によって破折した歯も、ラミネートベニア法によって美しい歯並び、美しいスマイルラインを回復することができます。
● 「デライト・ラミネート法」とは
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ラミネートベニアとは、前歯の表面を薄く削り、そこに歯の形をしたセラミック製の薄い板を貼りつける施術のことを言います。これにより、前歯の色や形を整えることができます。
クラウンを被せることで歯を白くするには、歯を多く削る必要があります。ラミネートベニアの場合は、表面をわずかに削るだけで歯の神経を抜く治療はしていなので、歯への負担を軽減して歯の色・形を整えることが可能です。
● 適しているケース
主に次のような場合に、ラミネートベニアが適しています。
●歯の変色が強い
通常の変色はホワイトニングで白くすることが可能ですが、変色が強いと効果が得にくい場合もあります。この場合、ラミネートベニアにより短期間で歯を白くすることができます。また、セラミックでできていますので、将来的な変色の心配もありません。
●前歯の隙間を狭くしたい
前歯がすきっ歯になっている場合、ラミネートベニアで歯の形・大きさを変えることで、前歯の隙間を無くすことも可能です。
● 適していないケース
咬み合わせが良くない場合、歯ぎしり・食いしばりがある場合にはおすすめできません。ラミネートベニアで貼りつけるセラミックの板は、薄いため強度が高くありません。特定の歯に力がかかりやすい咬み合わせや、歯ぎしり・食いしばりがある場合には、ラミネートベニアが欠けたり外れたりする可能性が高くなります。
ご自身で判断せずに1度歯科医師にご相談ください。
● デメリット
ラミネートベニアには、歯をわずかに削るだけで、歯の色や形を整えることができるというメリットがあります。しかし、次に紹介するようなデメリットがあります。
- 歯の表面を、少量ではあるが削る必要がある
- 貼りつけるセラミック製のシェルは大変薄いため、強度が求められる部位には使用できないセラミックなので、欠けることがある
- 保険が適用とならないため、費用がかかる
● 費用
ラミネートベニアは保険のきかない自由診療ですので、歯科医院によって料金が異なります。
1本 100,000円
● 治療回数
2~3回の来院で治療を終了するため、遠方から通院される方も多くいます。
短期間で治療ができることから、結婚式前の方や、就活を控えている方にも人気があります。
● ホワイトニングとの比較
ラミネートベニアは、少量ですが歯を削る必要があります。そのため、歯を削る必要のないホワイトニングの方が歯に優しいと言えます。
変色が強くてホワイトニングの効果が期待できないケース、あるいは、歯の形態を改善したいケースでは、ラミネートベニアは有効です。
前歯を綺麗にしたい場合は、ホワイトニング・ラミネートベニア・クラウンなどによる治療がありますが、そのメリット・デメリットを理解して、自分の歯の状態に合った治療方法を選択しましょう。