静脈内鎮静法を用いて極めて薄い上顎洞粘膜を拳上し13㎜のインプラントを埋入した症例

40代女性です。左上5番(第二小臼歯)の欠損補綴を希望して来院されました。
選択肢としては、①4番と6番を削ってつなげるブリッジ②インプラント③小さな局部床義歯(部分入れ歯)が考えられました。
年齢からして義歯は嫌だということで、インプラントにするかどうか歯科用CT検査を行いました。6㎜から8㎜のショートインプラントを埋入することも可能でしたが、当院がこれまで行ってきた治療のデータから考えると11㎜以上のインプラントを埋入した方が長期的に良い結果が得られるということ、そして、6番が失活歯(神経の無い歯)だったため、いずれその歯も欠損補綴が必要になると説明したところ、ご本人から上顎洞底拳上手術を行い、長いインプラントを埋入してほしいとご要望をいただきました。
また、今後6番が抜歯に至った時にも、簡単にインプラントができるよう骨の造成を行ってほしいということで、静脈内鎮静法を用いて直径3.8mm、長さ13㎜のインプラントを埋入しました。
オペ時間は1時間30分ほどで終わりました。最近はとくに、オペ時間がだんだん短くなっているように感じます。
この症例は上顎洞の粘膜が非常に薄く0.5㎜ほどでした。ティッシュペーパーより薄い状態だったので、オペで粘膜を拳上する際は特に慎重に行いました。
薄い上顎洞粘膜を拳上する時は、術前にその手術の難しさを患者さんに伝えています。うまく拳上できない時は、ショートインプラントも考えておいてくださいと話しますが、そう言いながらも、必ず手術は成功しています。
6ヶ月後には審美的にも機能的にも優れた上部構造を装着することができると思います。

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