私の印象に残ったインプラント治療その4 コーンビームCTと連携医療

本日は、コーンビームCTを使った診療で、他の領域の病気を発見した例を紹介します。



これは、50代の男性です。上の奥歯が無く、ご友人の紹介で「難しい症例も治してもらえる」と聞いて来院されました。
上の奥歯にインプラント治療をする際、上顎洞底挙上手術が必要となってくるケースが多いのですが、上顎洞自体に炎症や病気があった場合は、手術のためのCT検査で発見することができます。
この患者さんは、画像を見ると上顎洞が明らかに左右非対称です。右側がかなり炎症を起こしていることがわかります。歯を治す前に、上顎洞の治療をしなければ治療になりません。
CT画像
ところが、耳鼻科に紹介すると言っても、ほとんどの耳鼻科の開業医の先生はCTの設備を持っていません。そこで、耳鼻科領域のCTを撮り、5ミリスライスの画像データをCD-Rに焼いて耳鼻科に持って行っていただきました。耳鼻科の先生もデータがあれば、大学病院に紹介しなくても診療しやすいと思います。
5ミリスライスのCT画像-友生歯科医院-
5ミリスライスのCT画像-友生歯科医院-
5ミリスライスのCT画像-友生歯科医院-
このケースは、耳鼻科との、一つの連携医療と言えるものです。その意味からも、歯科用コーンビームCTは、活用できる設備であるとつくづく実感しました。
私の友人に、慶応大学医学部を卒業した耳鼻科の開業医がいます。私が地域中核病院にて働いている時、オペ室の隣で治療していて知り合ったという先生です。その先生とは、いろいろなケースについて耳鼻科の治療が必要かどうか、どんな治療が必要かという意見交換も行っています。
この患者さんは、耳鼻科で治療を行った後、インプラント治療を検討していくことになります。耳鼻科との連携により、円滑な治療を行っているという一例です。

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