上顎洞底挙上手術の成功率が高い理由

今回は、右上の第一大臼歯(6番)、第二大臼歯(7番)が、咬むと痛いということで来院された患者さんのケースをご紹介いたします。



この方は今から4年前、反対側の大臼歯部に上顎洞底挙上手術(サイナスリフト)を行い、インプラントを2本埋入したので、その検査も含めて歯科用コーンビームCT(下記写真3枚)で検査した症例です。
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普通の単純なレントゲンとは違い、歯科用CTの場合はいろいろな角度から調べることができるので、インプラントの状態や残っている歯の状態を正確に調べることができます。
検査すると、やはり主訴である右側6番7番は、抜歯しなければならないことがわかりました。そして反対側の、4年前に上顎洞底挙上手術を行ったインプラントの経過は良好で、全く異常ありませんでした。移植した人工骨もかなり安定していて、良い状態であると確信できました。
今回この患者さんは、私が薦める前にご自分から「反対側と同じように、インプラント治療を行って下さい」と希望して下さっています。悪い歯を抜いてから、抜歯の2ヶ月後に再度CTをとり、インプラントの埋入ポジション、長さ、サイズを決定しようと思っています。
当然ながら、この症例も、ラテラルウインドウテクニックで上顎洞底を挙上しなければインプラントは埋入できません。私は、ラテラルウインドウテクニックを使って20年以上になりますが、やはりやっていてよかったと実感しています。
よく大学病院の先生がオペを見学しに来られ、「上顎洞底挙上手術の成功率が、非常に高い理由は何ですか?」という質問を受けます。
その理由は、挙上する時に洞粘膜を傷つけないで、しっかり挙上できていること。インプラントの埋入場所が、咬み合わせを充分考えてあり適切であること。手術時間が短いこと。オペに協力してくれる麻酔科医や歯科衛生士、歯科医師との良いチームワークです。
そして何よりも大切なのは、術者である私を患者さんが信頼して下さるということ。その患者さんのお気持ちに、私はいつも深く感謝しています。

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