この患者さんは６０代の男性です。左上中切歯の欠損補綴のため、インプラント治療を希望して来院されました。
前歯部、つまり審美領域にインプラント治療を行う場合、患者さんは審美性に優れたきれいな上部構造を希望します。そのため適切なポジションにインプラントを埋入しなければなりません。
最近注目を浴びているのが、コンピューター上でインプラントの埋入ポジションを決定するサージカルガイドシステムです。このシステムによりピンポイントで正確な位置に埋入することが可能です。
今回の症例では歯牙支持型サージカルガイドを使い、CT画像でも確認できるように正確な位置に埋入することができました。
CT画像1
CT画像2
CT画像3
CT画像4
歯牙支持型サージカルガイド
また、歯牙支持型のサージカルガイドは粘膜や骨膜を切開しない、フラップレス手術を可能にします。
この治療の良さは、外科的侵襲度がきわめて少ないため、術後の患者さんの痛み、腫れが殆ど見られないことです。ただ、正確なポジションにインプラントを埋入するには、埋入される場所の骨が充分にあることが必要です。ですから全ての症例に適用されるわけではありません。
とはいえ、コンピューター、そして歯科用コーンビームCTの更なる開発により、サージカルガイドを用いたインプラント治療の適応症は確実に増えていくと思います。