この患者さんは３０代女性です。
審美領域にインプラントを埋入するのは非常に難しいとされています。まずインプラントを埋入する位置の骨の状態、つまり骨質、骨のボリュームがしっかりあるかなどに注意が必要ですが、もう一つ忘れられがちなのが、歯肉など軟組織の状態です。
軟組織が分厚い人はインプラントを埋入しやすいのですが、多くの日本人はこの部分が薄くてデリケートです。
埋入して何年かすると、歯茎の部分が黒く透けてくるなど難しいケースもあります。
そのためインプラントを作る時に、人工歯根の上にのせるアバットメントをジルコニアなどで作るケースもあります。
今回のケースはジルコニアを用いなくてもチタン製のアバットメントで十分対応できると考えられたので、チタン製で作らせていただきました。
この患者さんは審美面での要求度が高く、歯間乳頭部の状態をとても気にしていらっしゃいました。
インプラントの埋入場所、埋入深度、隣在歯の形によっては、きれいな歯間乳頭が獲得できない場合もあります。そのようなことの無いように、審美領域においては特に細心の注意を払いインプラント治療を行っています。