前歯部にインプラント埋入と人工骨を用いた骨造成を同時に行った症例

40代の女性です。
右上2番から反対側の1番まで2-1-1の3歯欠損で、審美修復を希望して来院されました。
3歯連続して前歯部が無くなった場合、治療法の選択肢としては①取り外しのできる部分入れ歯にする②欠損歯に臨在する歯を多数削って長いブリッジを入れる③インプラントを2本ほど入れてインプラントのブリッジを入れる、という3つが考えられました。
こちらの患者さんはインプラント治療を選択されました。
ただ、右上の2番の歯槽骨の状態を術前に歯科用CTで精査したところ、唇側の骨が非常に薄いことがわかり、以下の2つの治療法のいずれかを選ぶ必要がありました。
一つは、下顎骨から骨移植して骨の造成を行ってからインプラント治療を行う方法(Jグラフト)。これは骨造成の中でも口腔外科的な手法です。
もう一つは、骨移植は行わないで人工骨を用いて骨造成を行う方法(GBR)。これは主に歯周病治療に用いられる手法です。
それぞれの利点、欠点を患者さんに説明したところ、口腔外科的な方法をとると2つの場所を手術する必要があるため、後者のGBRを選択されました。
前歯部領域のインプラント治療なので、歯牙支持型のサージカルガイドを用いてインプラントを埋入し、それと同時に人工骨を用いた骨造成を行った症例です。

3~4か月後にインプラントが骨に生着したらインプラントを用いた仮歯を装着します。経過を見て、患者さんの希望を取り入れた最終補綴物を装着する予定です。このような治療は、当院ではよく行っている方法です。

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