『口腔インプラント専門医臨床技術向上講習会』に参加しました

3月の後半、公益社団法人日本口腔インプラント学会の『口腔インプラント専門医臨床技術向上講習会』がオンデマンド配信で開催され、参加しました。

~高齢者社会において学会専門医の果たすべき役割~をテーマに、

インプラント治療の先駆者である小宮山彌太郎先生をはじめ、研究所の所長や歯科大学の教授など6名が約1時間ずつ講演しました。

各公演を聞いた後には試験があり、10分以内に解答しました。その解答の正解率によって、専門医更新の必須単位10単位を得られるということです。

数日後、その解答がメールで送られてきましたが、幸いなことに私は全問正解でした。

今回の講演の最初の演者は、日本歯科医学会副会長で日本歯科大学理事・同大学口腔外科の教授である小林隆太郎先生でした。彼の演題は、『歯科専門医の基本的な考え方』です。専門医はどういう立場で患者に接しなければならないか、そして専門医の社会における必要性についての話でした。

小林隆太郎先生は、私の大学時代の同級生です。今でも時々連絡を取り合う仲で、息子の大学院の上司にあたる方です。

他には、今から25年前、20年前、15年前にインプラント治療を受けた患者さんが高齢となり現状はどうなのか、統計を用いて講演した先生もいらっしゃいました。

あらためて、インプラント治療を受けて、ものがちゃんと噛めている患者さんは健康寿命が長いということ、咀嚼がその方の健康につながっているということを感じました。

当院でも20年前、25年前に治療を受けた患者さんが、今も定期的、継続的にメインテナンスを受けに通って来られていますが、ずっと通院できるかと言うと、それは難しいのではないかと考えさせられました。

したがって、通院できなくなった時にどのように対応するかが今後の課題だと思います。具体的には、ご家族や介護施設の介護士に正しい口腔内のケアの方法を指導することが必要だと思います。時には、こちらから出向いて、口腔ケアを徹底的に行うことが高齢の患者さんの健康長寿につながるのではないかと思います。

我々歯科医師の仕事は、高齢者の生死にかかわる重要な役割を担っているのだと今回の講演を聞いて強く思いました。あらためて、インプラントは患者さんの健康寿命をのばす治療法だと確信しました。

講師のひとり 日本歯科大学附属病院 口腔外科教授

 小林 隆太郎先生

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