年齢に応じたインプラントの治療方法を選択し良い結果が得られた症例


80代の女性です。約15年前に左上5、6、7番にサイナスリフトを行い、長いインプラントを埋入しました。
そして5年前、反対側の6、7番にインプラント治療を行った時は、「高齢で体力が無いので、大掛かりな骨造成はやりたくない。ほかに良い方法はないですか?」とおっしゃったので、オッセオスピードTXのショートインプラント(プラットホームスイッチングシステム)を埋入しました。
つまり、65歳で治療した左側は大掛かりな骨造成を行って長いインプラントを埋入し、75歳で治療した右側は低侵襲のショートインプラントを埋入しました。

5年たった今、骨の吸収は両側とも認められず経過は良好です。まさしく患者さんの年齢に応じたインプラントの治療方法を考え、良い結果が得られたケースです。
先月参加したワールドサミットツアー2017で、南カリフォルニア大学のホマ・ザデー先生がおっしゃっていたロングインプラントとショートインプラントの使い分けは、まさにこういうことだと理解できました。
私はこれまで、上顎臼歯部には骨造成をして10ミリ以上の長いインプラントを埋入したほうが良いと言い続けてきました。それは間違いないことですが、ただ、70代以上の高齢者にその手術が可能か、それだけの外科的侵襲度に耐えられるか、患者さんがその手術を受け入れるかどうかを考えたとき、このようなショートインプラントを選択することも一つの方法ではないかと、この症例を見て痛感しました。

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