前歯部に対しアストラテックEVインプラントを用いて天然歯に調和する審美修復を行った症例


 30代の男性です。右上1番の欠損補綴に対してインプラント治療を希望して来院されました。
 審美的な要求が非常に高い方で、自分の健全な歯は削りたくない、出来上がった歯は臨在歯と同じ色にしてほしい、天然歯と並んだ時の歯頚線(歯と歯茎の間のライン)はできるだけ左右対称に作ってほしいということでした。
 前歯部のインプラント治療は審美性を追求しなければならないため、インプラントを埋入する時期、ポジション、深さ、そして作られる上部構造のすべてが重要で、どれか一つ抜けても良い結果は得られません。このように審美性を要求する患者さんは、臼歯部のインプラント治療を中心にやっている先生にとってはシビアなケースだと思います。
この患者さんは無口ではありますが、来院された当初からデンタルIQが非常に高い方でした。新しい歯を装着する時に満足して下さるか、どういう反応をされるかなと思っていましたが、とても満足され喜んで下さいました。
デンタルIQとは、歯に関する予防・治療法などに関する理解度、知識度を表す言葉です。当院に通って下さっている患者さんは、そのデンタルIQがどんどん高くなっていくように感じます。例えば歯を抜いた後、「先生、次のソケットはいつやるんですか?今回はやらないんですか?」とか、「採血では、どのくらい採るんですか?」とおっしゃるなど、専門的な用語を憶えて下さっています。
もちろんインターネットが普及しているので、そうしたインプラントの治療用語をネット上で検索することは可能ですが、治療中、患者さんとコミュニケーションするなかで そのような言葉が出てくると私たちはやりがいを感じますし、患者さんへの説明もしやすくなります。
患者さんだけではなく、我々すべてのスタッフが常に新しい言葉を勉強し続けなければならないとつくづく感じています。
この症例で使用したのは、アストラテックEVインプラントです。埋入して3か月後に仮歯を装着し、患者さんの希望を確認しながら歯の形、色を決定しました。そして今回、最終補綴物を装着した症例です。

当院には、最近はとくに前歯部の審美領域に対するインプラント治療を希望する方が多く、週に2日くらい入っています。前歯部のインプラント治療は、例えば3本とか4本とか、連続した欠損補綴の方がやりやすいと思います。この症例のように、1本の中切歯に対して1本だけ埋入する。しかも隣の歯は、健全歯、もしくは過去に装着したセラミック冠で、左右それぞれの歯に調和させるのは非常に難しいです。
ブリッジで治す場合は、製作する補綴物で正中線や歯頚線をある程度調整できますが、単独冠で入れる場合は天然歯と調和させなければならないので非常に難しいと思います。
治療後の写真を見ても、違和感がなく綺麗に仕上がったと思います。

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