短時間で上顎洞底挙上手術と3本のインプラント埋入を行った症例


60代の女性です。
右上の上顎臼歯部欠損で来院されました。
術前にCT検査を行ったところやはりサイナスリフトが必要で、現状ではショートインプラントも埋入できないことがわかりました。

この手術で静脈内鎮静法を担当したのは、大学教授でもある歯科麻酔専門医です。彼は多忙な方で、時間の制限があるなか立ち会ってくれました。
彼が驚いていたのは、手術が始まり、切開から上顎洞の前壁の窓開けまでが11分だったことです。
私にとって、11分は今までで最速だったように思います。私は常に目標として、窓開けまでが20分から25分と考えて手術をプログラムしています。
上顎洞底挙上手術には次のような6つの段階があります。
①切開する
②骨膜・粘膜をきれいに剥離する
③上顎洞の壁に窓開けをする
④上顎洞粘膜を挙上する
⑤インプラントを埋入して人工骨を補填する
⑥縫合する
手術においては、どの段階も一つひとつ確実にクリアしてから次に進む習慣をつけなければ、絶対にダメなんです。確実にクリアしなければ、次の段階には行けない。どこかでつまずいたら、一つ前に立ち戻って修正する必要があります。
実際には戻るような経験をしたことはほとんどありませんが、そのくらいの気持ちで手術に向かわなければうまくいきません。
段階ごとの時間配分も重要です。自分の体で覚えなければ、だらだらと手術時間が長くなってしまいます。
今回は、手術時間約1時間20分で、上顎洞底挙上手術と3本のインプラントを埋入しました。
速ければ良いというわけではありませんが、的確に確実にそれぞれの段階をクリアしていけば、自ずと手術時間は短くなります。
手術時間が短ければ、患者さんの負担も、その後の侵襲も少なくなるのは確実です。

※ご注意:実際の手術映像が再生されます。
一般の方は、ご気分が悪くなる可能性がございますので医療関係者のみの閲覧を推奨いたします。

6か月後には綺麗な奥歯ができあがり、この患者さんは、ほぼ一生硬いものを食べられると思います。まさに、アンチエイジング
の治療だと思います
今回のような上顎臼歯部のインプラント治療が行えなければ、全顎的な欠損補綴はできません。当院の若い先生方には、是非できるようになってほしいと思っています。

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