90代の患者さんに低侵襲な手術で3本のインプラントを埋入する計画を立てた症例


 90代の女性です。
16年前に当院でインプラントを埋入した患者さんです。

 このたび、右下臼歯部の被せ物が外れたということで来院されました。

 他に気になる点もあり、口腔内検査、レントゲンやCTで検査を行ったところ、右下の5番、6番が抜歯の適応症とわかりました。

 前にインプラント治療を行ってから16年経過しています。ご高齢ということ、価格のこともあり、ご家族からは「入れ歯で我慢してほしい」と言われたそうですが、ご本人はインプラントにしたいと強く希望され、結局インプラント治療を行うことになりました。

 90代という年齢を考え、サージカルガイドと静脈内鎮静法を併用して低侵襲な手術を行う計画を立てました。

 3月中旬、右下の臼歯部にインプラントを埋入する予定です。
幸いなことにCT検査の結果を見ると下顎の臼歯部にはしっかりと骨量があり、骨質もインプラント治療に適していることがわかりました。フラップレスで手術を行うことが可能です。
もちろん、骨のボリュームが無い場合や、骨の形態がインプラントに適していない場合、フラップレス手術ができないケースがあります。患者さんの口腔内の解剖学的な状況を充分精査して手術の方法を決める必要があります。
例えば、尖がった骨頂にドリリングすると、骨がささくれるような状態になる場合があります。この患者さんのように骨頂が平らでなだらかな場合は、フラップレス手術に適しています。オペレーターはいろいろな症例を経験することにより、方法を見極めることができるようになります。
この患者さんは、とてもお元気で健康状態も良く、何でも食べられるということです。このような患者さんにお会いすると、やはりしっかり食べることが長寿につながるのだと感じます。
そして、認知症の気配が全く感じられません。しっかり咀嚼することで、脳の衰えを回避できているのかもしれません。

このページの先頭に戻る 医療法人社団 友生会 トップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA