審美領域へのインプラント治療

 上顎前歯部の欠損補綴の方法として、審美領域へのインプラント治療を希望する患者さんが増えています。

 審美領域へのインプラント治療には、重要なポイントがあります。

まず、治療の結果が患者さんに明確にわかるということです。治療箇所をご自分でよく見ることができるので、患者さんからのご要望も多く、機能面だけでなく美しさが求められます。

そして、良い結果を得るためには、インプラントを埋入する場所の骨や軟組織を充分に精査する必要があります。そのため術前のレントゲンやCT、軟組織の検査、噛み合わせの検査が欠かせません。

 注意すべき点として、歯並びがあります。当院にも歯並びが悪い方が来院されることがあり、矯正は一つの治療方法ではあります。

ただ、もし悪くなった歯が抜歯の適応となり、欠損部にインプラントを埋入した場合、その後、気持ちが変わって矯正治療を受けたいと思ってもインプラント治療した歯は矯正では動きません。つまり、インプラントが矯正治療の妨げになる可能性があるのです。

したがって矯正治療を将来受けたいか、あるいは受ける可能性があるかどうか、術前にしっかり確認することが重要です。

これは前歯部だけではなく、上顎、下顎の小臼歯部のインプラントについても充分考えられることです。なぜなら矯正の先生は、小臼歯(4番、5番の歯)を抜いて、そのスペースを利用して歯を並べなおしているからです。4番、5番にインプラントが埋入されていたら、そのインプラント体は撤去しなくてはなりません。

一方、こんなケースもあります。最近は、アライナー矯正というマウスピースを使った矯正を行うことがありますが、その場合は、大臼歯部(6番、7番)の噛み合わせがしっかりしていなければ矯正治療の適応になりません。そのため6番、7番にインプラントを埋入しておいて、噛み合わせをしっかり再現してからアライナー矯正を行うという逆の発想もあります。

これまでに無い考え方ではありますが、今後は、インプラント治療を行い、それから、アライナー矯正へと発展させるという流れもあるのではないかと思います。

矯正治療とインプラント治療、どちらが先か、というのは非常に興味深い問題です。 

一般的に言うと、インプラントは噛み合わせに重要な4番、5番、6番、7番部に埋入するケースが多いのですが、最近当院には審美領域へのインプラント治療を希望して来院する患者さんが増えています。

例えば、大臼歯が欠損し、前歯部の歯並びも悪いというケースがあるとします。前歯部に矯正治療を行うとしたら、まず大臼歯の噛み合わせをしっかりさせなければなりません。そのためにまず大臼歯部にインプラントを埋入し、噛み合わせをしっかりさせてから、アライナー矯正を行う方法もあるのではないかと思います。

このように、矯正治療とインプラント治療の両方を行わなければならない症例はけっこう多いと思います。

矯正が先でインプラントが後、或いはインプラントが先で矯正が後、両方考えられます。しかし、アライナー矯正を展開している企業は、インプラント治療に対する視野がまだ狭いと感じます。

一方、インプラントのメーカーであるⅮ社はこれから、アライナー矯正を日本で展開するということです。当然ながらⅮ社はインプラント治療については非常に詳しいので、Ⅾ社の展開するアライナー矯正がどのようなものか興味があります。もしそれがインプラント治療とコンビネーションできれば、非常におもしろい歯科医療ができるのではないかと期待しています。 それは、歯科医療の理想であり、あるべき姿だと思います。

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