70代の男性です。左上臼歯部の4、5、6番欠損で来院されました。
CTで検査したところ、幸い4番部には骨が多少ありましたが、5番と6番部は2~3ミリと骨が非常に少なく、ブリッジもできません。ご本人は、入れ歯を希望しないということでした。
この患者さんは数年前、反対側の右下にインプラント治療を受けた方です。こんなにものが噛めるのかと、インプラントの良さを充分に知っていらっしゃるので、今回反対側もインプラントを希望されました。ただ、上顎臼歯部の場合は、上顎洞底挙上手術が必要だと説明し、理解していただきました。
この症例では、上顎洞底挙上手術とインプラントの埋入を同時に行う1回法で行いました。
使用したのは、D社のアストラテックEVとXiveインプラントです。
やはり、どんなにテクノロジーが進んで、CTやサージカルガイドなどの最新機器が開発され、ショートインプラントが開発されたとしても、本来の骨膜粘膜を剥離し、骨をしっかり作ってインプラントを埋入するという歯科治療として基本的な手技ができなければ、インプラント治療の適応症拡大にはつながらないと思います。