埋入から24年経過したインプラントに異常所見が見られなかった症例

60代の女性です。ずいぶん長く、当院に通って下さっている患者さんです。今回、メインテナンスで来院され、しばらく画像診断をしていなかったのでレントゲン検査を行いました。

これまで、左右の上顎臼歯部、左右の下顎臼歯部にインプラントを埋入していますが、とくに異常所見は見られませんでした。

右上の臼歯部は、今から24年前の平成11年にサイナスリフトを行い、その当時私が愛用していたIMZインプラントを埋入しました。

左上の5番、6番は、平成24年にサイナスリフト行い、Xiveインプラントを埋入しています。

下顎の臼歯部は、IMZ, フリアリット2Xiveという3種類のインプラントを埋入しています。

こうして見ると、全てデンツプライシロナ社のインプラントです。平成11年から24年、平成24年からは11年経過していますが、いずれも経過は良好です。

かつて、ITIコンセンサス会議において、骨造成で唯一信頼度が高いのは、ラテラルウィンドウテクニックで行った上顎洞底挙上手術で、成功率が高いと発表されました。これはエビデンス(根拠)ではなくコンセンサスなので学会の見解ということで、私もその通りだと思っています。しかも、インプラントの種類には関係ないということです。この症例は、まさにそのことを証明するものだと思います。

こうしたことから、私は上顎臼歯部に骨造成が必要な場合、ラテラルウィンドウテクニックでサイナスリフトを行っています。

この患者さんのインプラントが長く良好な状態でもっているのは、定期的にメインテナンスに来て下さっていることも重要な要素です。そして、口腔内の環境が歯科医師や歯科衛生士によってきちんとコントロールされていること、噛み合わせのズレが起きていないこと、患者さんのご家庭でのプラークコントロールができていることも大きく関係しています。その結果として、インプラント治療の長期的成功につながっているのだと感じています。

この患者さんは、デンツプライシロナ社のインプラントの変遷を見るようで、最初はIMZ,フリアリット2、Xive、アンキロスがメインでした。その後会社の合併があり、アストラEVという製品も出ましたが、この症例では、代表的な3種類のインプラントシステムが並んでいます。

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