この患者さんは、60代の女性です。
最近、インプラントを埋入するポジションが、ここに入れるしかないというくらい極めて限定される、難しい症例の患者さんが増えている気がします。
骨の幅が狭いとか、隣在歯の根が湾曲しているとか、サイナスリフトを行わなくてもぎりぎりできる症例などもあります。そういった場合は、コーンビームCTを用いてサージカルガイドを制作し、そのガイドを基準にインプラントを埋入するのも一つの方法かと思います。
サージカルガイドは、何に固定し支持するかによって3つの種類に分かれます。1つは骨の上、もう1つは粘膜、そしてもう1つは残っている歯牙にガイドを装着させて動かないように固定します。
私は粘膜支持型というのは、粘膜が常に局所麻酔や患者さんの体の動きに影響を受け、ずれやすいのであまり信頼していません。主に歯牙支持型、骨支持型のガイドを使って治療を行いますが、この症例では歯牙支持型のガイドを使って上顎の3番(犬歯部)と第一大臼歯部に埋入しました。
オペ時間も30分程度で、短時間で終わりました。
術後のパノラマレントゲン写真を見ても、計画どおり一寸の狂いも無く綺麗に埋入されています。