60代の男性です。
上下顎の臼歯部欠損に対してインプラントで治療を行い、取り外し式の局部床義歯から固定式の歯に替えた症例です。
やはりインプラントは費用がある程度かかるため、当院では保険の治療も組み入れた総合的な治療を行っています。
前歯部は、歯周病もかなり進行しているため今後インプラントが必要となる可能性もあります。患者さんと充分に相談し、その段階に至るまでは保険のブリッジを入れることになりました。
臼歯部は自費診療のインプラント、前歯部は保険診療のブリッジで歯冠補綴を行いました。
初診時の術前と術後のパノラマ写真を比べてみると、まるで別人のように上部構造がきれいに入っています。
初診時とは食べられるものも全く違い、食生活が変わったいうことでとても感謝されました。
このことに関連して、先日当院のある先生からうれしい報告を受けました。
私がかつて上下左右の臼歯部にインプラント治療を行った90代の女性が久しぶりに来院され、そのご様子は、非常に良く噛めていて、とても90代には見えなかったということです。
ものが噛めるということは、健康長寿につながります。認知症に移行する速度も抑えられ、しっかりと咀嚼することで精神的にも肉体的にも若々しくいられると思います。
そしてあらためて、インプラントはQOLの向上にも充分に貢献できる治療であると実感しました。