上顎前歯部の2番から2番までの欠損で来院されました。
頬舌的に骨が委縮していていたため、インプラントの埋入と同時に大掛かりな骨造成を行いました。
この症例もそうですが、前歯部で大掛かりな骨造成を行うと内出血をする場合があり、それはある程度予測できます。
外科的侵襲度が高い手術で腫れや内出血が予測される場合、私は必ず手術前に、「手術の翌日から、このような顔になりますよ」という絵を描いてお渡しするようにしています。
すると、やはり内出血して「先生のおっしゃったとおり、絵のような顔になりました」と皆さんおっしゃり、トラブルには発展しないようです。
そして、「期間に個人差はありますが、元の肌の色に戻りますから、安心してください」ということもお伝えします。事前にお伝えすることで、患者さんの不安を和らげることができるからです。
当院では、外科的侵襲度が高い手術の場合、手術当日と翌日、場合によっては翌々日まで、来院していただき抗生剤の点滴を行います。抗生剤で腫れはある程度抑えられますが、内出血はどうしようもありません。自然治癒力に任せることになります。
肌の色が戻るまでに1週間から10日くらいかかりますが、ご本人はわかっていても、ご家族に心配を与えないため、その絵は必ず持ち帰っていただき、ご家族にもお伝えいただくようにしています。