上顎臼歯部にサイナスリフトを行い、欠損部位だけではなく将来を見据えた骨造成を行った症例

この3月も、ほぼ週1回のペースでサイナスリフトを行いました。このところ、サイナスリフトの件数が増えています。

私は骨造成をする場合、垂直的にアプローチするソケットリフトは行いません。上顎骨の側方からアプローチするラテラルウィンドウテクニックしか行わないので、使用する補填材は多くなりますが、その分、大規模な骨造成ができます。

この患者さんは30代の男性です。右上の第二小臼歯欠損で来院されました。

いろいろと相談したところ、歯の切削を伴うブリッジによる欠損補綴を希望しない。つまり、健康な歯を削りたくないということでした。

そうするためには、ショートインプラントを使用するか、サイナスリフトを行って長いインプラントを埋入するかの二択です。そう説明をするとご本人から「CT画像を見たところ、その奥の6番7番は神経を取られているようですが、長く持ちますか?」という質問を受けました。

これはとても鋭い質問です。「おそらく将来、6番7番の欠損も考えられ、インプラント治療が必要になる可能性が高いです」とお伝えすると、「それではサイナスリフトを行い、6番7番部にも骨造成を行ってください」と回答をいただきました。

手術後の画像を見てもわかる通り、今回インプラントを埋入した5番部より、6番7番部の方に多く骨造成されています。

つまり将来のための骨造成です。欠損部位だけでなく、患者さんの将来を見据えた治療計画を立てることが大切だと痛感しました。

患者さんは、どうしても欠損部位だけに目が行ってしまいがちですが、対合歯の将来性、臨在歯の将来性も見据えた治療計画の立案が重要です。

術前 パノラマ写真

術前 CT画像

術後 CT画像

ご注意:実際の手術映像が再生されます。
一般の方はご気分が悪くなる可能性がございますので医療関係者のみの閲覧を推奨いたします。

このページの先頭に戻る 医療法人社団 友生会 トップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA