サイナスリフトを行い長いインプラントを埋入した症例

60代の男性です。インプラント治療を希望して来院されました。

まず、左上4番にインプラントを埋入しました。

続いて右上の6番にはショートインプラントを埋入し、4番5番6番のインプラントブリッジを装着する予定でしたが、6番部のインプラントについて患者さんの方からサイナスリフトを行って欲しいと要望がありました。

とくに上顎臼歯部にインプラント治療を行う際は、なぜその種類のインプラントを使うのか、なぜその長さなのか、もっと長いインプラントを埋入するためにはどんな治療を組み合わせる必要があるかなどを説明する必要があります。

患者さんの中には、低侵襲の手術だけで終わらせたいという方もいるので、可能ならばショートインプラントという選択も考えられます。ショートインプラントも埋入するだけの骨量が無い場合は、骨造成が必要になります。

この症例は、ショートインプラントも埋入できたし、上顎洞底挙上手術で骨造成を行うという選択肢もありました。ただ、ショートインプラントは世界レベルでも長期的なエビデンスが少ないと説明したところ、サイナスリフトを希望されました。

結果として6番部にはサイナスリフトを行い、長さ11ミリ、直径4・5ミリのインプラントを埋入しました。

サイナスリフトを行ったため、最終補綴物が装着されるまでの時期は3か月ほど伸びたのですが、この方法の方が予知性も高く安心できると思います。

歯科医としていつも考えていることですが、「あなたの奥歯の治療にはこの治療しかできません」、ということではダメです。「Aという治療法もあります、Bという方法もCという方法もあります。ただ、Cを行うにはBを一緒に使わなければできません」。そこまで言えなければ良い歯医者とは言えません。それぞれの治療法の将来性、合併症はどうなのか、メリットデメリットを充分に説明することが重要です。

提供できる治療法の選択肢が1つ2つしかないという医院ではなく、複数ある選択肢の中から選べる医院の方が良い治療ができることは確かです。

最近は「うちでは治療できない」という医院からの紹介で、当院に来院する患者さんが増えてきました。

術前 CT画像

術後 CT画像

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