インプラント治療における材料の選択

院内技工所「友生デジタルソリューション」が稼働を始め、3か月が経過しました。3つの医院それぞれに設置された口腔内スキャナーで光学印象を取り、そこから送られてくるデータをもとにパソコン上でデザインして、ミリングマシンで人工の歯を削り出しています。

件数は順調に増え、患者さんからも高い評価をいただいています。
材料に使うジルコニアやセラミックは、各メーカーから数多く発売されています。
各社それぞれ、色合いや透過度が違うため、歯科医師と技工士さんがその選定を行っています。

メーカーによって一番違うのは、透過度です。透明感が高いほど硬度が下がる特徴があるため、硬度を保ちつつ、なるべく透明感のある材料を選ぶことが重要なポイントです。

例えば、右下臼歯部にA社の材料を使い、反対側にD社の材料と使ったりすると、左右で微妙に色合いが違い、統一感がなくなることがあります。歯科医師は、患者さんの噛む力、審美性の追求度などを充分理解して、材料を選択することが重要です。部位によって、透明度のある材料で審美性を追求するのか、強度を優先するのか、歯科医師の判断が問われます。

そして、それぞれの材料には、長所短所があります。近年よく使われるジルコニアは硬くて審美性にも優れた素材です。天然歯に比べて着色が少なくプラークも付きにくいのですが、調整は慎重に行う必要があります。とても硬い素材のため、削った部分をよく研磨しなければ、当たる部分の金属を削ってしまう可能性があるからです。

インプラント治療においては、欠損部の骨の状態、両臨在歯の状態、対合歯がインプラントなのか、天然歯なのかなどを総合的に考えて上部構造を作る必要があります。同じように、材料も、部位や臨在歯、対合歯の状態まで考えて選択しなければなりません。

材料を選ぶ要素は、色合い、強度、透明感です。天然歯の色に合わせるのはもちろんですが、患者さんご自身の希望だけではなく、3つの要素を考慮して材料を選択することが重要だと思います。

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