歯並びの悪い方が何らかの理由で歯を失った場合や、先天的に小臼歯が欠如しているとか乳歯が残存して歯が無い状態になった場合、自分の健康な歯は削りたくないとインプラント治療を選択されるケースがあります。
ただ、小臼歯が先天的に欠如している方の中には、歯並びの悪い方が比較的多くいらっしゃるので注意が必要です。そうした患者さんに欠損補綴を行う前に絶対に行わなければならないのは、将来矯正治療を受ける予定、可能性があるかどうかを確認することです。
理由は、インプラントは骨に生着しているため、矯正で動かせないからです。もし、患者さんがインプラント治療を行った後に矯正治療を希望した場合は、埋入していたインプラントを撤去しなければなりません。
それは起こりうることなので、歯列不正がある患者さんには、充分な問診と説明を行う必要があります。
写真は20代の女性です。右上1番に根尖性歯周炎が発生し抜歯の適応症でした。歯列不正があるので、矯正治療を受ける意思があるか問診で確認しました。
この方は、数か月後にご結婚の予定があるそうです。将来矯正治療は受けませんと書類にサインをいただきました。そのうえで、インプラントを埋入し審美修復を行いました。