歯科の専門医とは

50代の女性です。上顎の咀嚼障害で、うまく噛めないということで来院されました。

現在、歯科医院が診療科目として標榜(ひょうぼう)を認められているのは歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科の4つです。

標榜とは、「この科目の診療をしています」と看板や広告などで外部に示すことです。歯科大学を卒業して歯科医師のライセンスを取得していれば、その科目が得意であろうとなかろうとこの4つを誰でも標榜できるのです。患者さんからみると、これではその医師の専門性がわかりにくいというのが現状です。

一方、専門性がわかるように厚生労働省が「専門医」と名乗って良いと認めているのが、「歯科麻酔専門医」、「歯周病専門医」、「小児歯科専門医」、「歯科放射線専門医」、「歯科口腔外科専門医」の5つです。

これに加えて、現在インプラント治療を行う歯科医院が増えているため、インプラントについても「専門医」と名乗れるようにしようという動きが出ています。

日本には、日本口腔インプラント学会と日本顎顔面インプラント学会という2つの学術的団体があります。それぞれに、厳しい条件を設けて専門医や指導医の認定も行っています。その2つの学会が話し合い、統一の「専門医」を作ろうといま検討しているところです。それが認められれば、「インプラント専門医」と名乗り、広告を出すことができます。

このように、4つの標榜は誰でもできますが、「専門医」は、専門の教育を受けた医師でなければ名乗ることができない仕組みになっています。

厚生労働省は、全国すべての医療施設を対象にした「医療施設静態調査」を3年ごとに実施しています。令和2年の調査によると、全国の歯科診療所の総数は約68000です。そのうちインプラント手術を行っているのは約24000で、総数における割合は35%でした。三分の一の歯科医院で行っていることがわかります。

私は、日本口腔インプラント学会の専門医ですが、もうひとつの日本顎顔面インプラント学会の専門医と合わせて専門医・指導医が所属している施設数は現時点で約1200軒です。

つまり、インプラントの手術を行っている施設の5%しか専門医を取得していないことになります。さらに全体の歯科診療所数から見ると2%の施設にしかインプラント専門医・指導医がいない事になります。

患者さんがより良いインプラント治療を受けるためには、信頼できる学会の認める「専門医」や「指導医」がいることを一つの指標にして、歯科医院を選ぶことをおすすめします。

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